Sista-Kとの出会い☆最終回

いよいよこの日が来ました。最終回です。
約3週間続けてきた映画『たいようのドロップキック』のルーツを語る連載企画も今日で終わりです。

とはいえ、まだ映画も公開してないんですよね(^^;;
全然、寂しがるようなところでもないです。
映画を観た時に、もっと楽しんで貰えるようにと、無い頭絞って考えた企画。
さて、楽しんでいただけていたのか?

そういう話は終わってからにしましょう。

音楽PV(プロモーションビデオ)から、ドラマ性の強いショートムービーへと制作するモノの形態が変わり、KAMUI脚本部である【TEAM 9 NINE】メンバーと様々に意見を出し合いました。

もちろん、イメージは十人十色、意見百出です。個性あふれるメンバーの個性的な企画案が並びました。しかし、肝心の部分をどうしたらいいのか?私たちだけではどうしても答が出ない問題がありました。

それは、「お父さん」をどうするか?ということでした。

現実を知ってしまうと、どうしても引っ張られるのは人情です。
だから、今回のような場合、どうしても死生観や両親、大事な人がなくなるという設定が多くなります。
ただし、私の意見は違いました。ストレートに「大切な人の死」を描くのでは無い方が良いと考えていたからです。

何故なら、この歌『Just like you』は愛に溢れた曲で、これから生きていく子供たちへ向けたモノだったからです。だからこそこの作品は、ある意味生命力溢れた作品であるべきだと、監督として考えていたからです。そこへ大切な人や動物の死などに仮託した象徴的なストーリーに貶めたくなかったからです。

そして、私は三たびSista-Kの元を訪ねました。そして、「お父さん」をどうするかについて話し合いました。彼女の答えは「お父さんは出して欲しい」ということでした。

私は頭を抱えました。彼女にとって、その家族にとっての「お父さん」という存在は特別です。果たして役者が演じたり、何かに仮託して良いものか?
たとえどんな名優が演じたとしても、それは「ニセモノ」でしかありません。
私は「お父さん」を「ニセモノ」にしたくありませんでした。
しかし、依頼者であるSista-Kは「お父さん」にいて欲しい。。。

そして、私はあるアイデアに至りました。

「お父さん」を「ニセモノ」が演じることなく出演させる方法に思い至りました。
これが、最大限であり最小限の方法だと確信しました。

その答えは、映画『たいようのドロップキック』にあります。どうか作品を実際にご覧いただき、どういうことなのかご確認ください。

私とSista-Kと【TEAM 9 NINE】メンバーと、この作品に関わった多くの人たちが、灼熱の太陽の下、8月21日〜28日の6日間と、そして中々スケジュールが合わず今度は10月の寒風の中、夏の格好で3日間の撮影を敢行し、カラーコレクション、グレーティング、静音、音響、音楽、編集と情熱を込めて創り上げた作品です。

ロケ地となった
会下山小学校野球部監督様と部員、お友達の皆様
会下山公園の周辺や公園を利用する住民の皆様
NAGATA食遊館和牛丼の店・丸善の皆様
板宿の和食堂まるさお母さん、お父さん、そして周辺住民の皆様
生田神社兵庫宮御旅所の皆様
朝から夕方までの撮影予定をオーバーして遅くまでご迷惑をかけたY家のご主人様奥様ハりネズミ君
その他、ここに書き切れないたくさんの皆様にご協力いただいてこの作品があります。

本当にありがとうございました。

どうか皆様、映画館に足をお運びいただき、この作品をご覧いただければ幸いです。
ご覧いただいた方には、労いの言葉ではなく、称賛、罵倒なんでもいう権利があります。
どうぞ正直に仰ってください。

さて、その時が来ました。最後までお読みいただいた皆様、改めて心より感謝申し上げます。
映画の公開までは、もう少しだけ時間があります。
2018年、夏。ぜひ、映画館でお会いしましょう。
皆様と映画館でお会いできることを楽しみに、心よりお待ち申し上げております。

2018年4月29日
映画『たいようのドロップキック』監督 日浦明大

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