Sista-Kとの出会い☆その19
映画『たいようのドロップキック』のルーツを語る連絡企画の19回目。
4月9日からスタートした連載が明日で20回の節目になります。テレビでいうと2クールぐらいですか。
そして前回、私は強烈な後悔と残念を胸に刻みました。
映画主題歌となった『Just like you』の原点とも言える
癌の闘病中だったSista-Kのお父さんが2017年3月19日に永眠されました。
朝方、本当に眠るように、静かに亡くなられたそうです。
私はSista-Kの自宅リビングでその最後の情景を聞いています。
長い期間、Sista-Kのfacebookの更新がなく、何かあったと感じつつ、
私は忙しさを理由に連絡をとっていませんでした。
取っていたからといって何かできたわけでもないかもしれません。
それでも、生前のお父さんの姿を収め長く残したいというニーズには応えられなかった訳です。
現実的には難しかったとしても、どうしても後手後手に回ってしまったことを後悔せずにはいられませんでした。
メッセージで訃報を知り、そして慌ててアポイントを取って彼女の自宅を訪れました。
もちろん、ご遺族としての気持ちも考えて、お気持ち的に可能であればということでしたが、彼女は快諾してくれました。
リビングの奥に置かれた仏壇の前に座り、手を合わせました。
いつものことですが、お悔やみの言葉というのは、本当に何といっていいのか。
『御愁傷様でした』は何となく味気ないし、かといって長々と口上を述べるのもおかしい。
迷いに迷って、何といったのか。正直記憶にありません。結局、そういってしまったのか、ゴモゴモと何となく残念さ、無念さを口にしたのかもしれません。
そうして、お父さんについて色々な逸話をお聞きしました。
・ご近所でミニのおっちゃんと呼ばれていたこと
・震災までは仕事柄(土建業)、重機の出入りがあったり近所では良い目で見られていなかったこと
・震災の時、いち早く(神戸市内では多分一番早く)自社の重機を使って瓦礫の撤去作業を行い、多くの住人を助けたこと
・それからご近所の目も変わり、親しまれるようになったこと
・絶対に人に手を上げなかったこと
・強制したり強要したりせず、何も言わずに本人を信じてひたすら見守るのが信条だったこと
お父さんがどんな人だったのか、たくさんの逸話とともに聴きました。
そしてPVは、曲に合わせた5分ほどのミュージックビデオから
台詞やストーリーのあるショートムービーにすることになりました。
松田花くんを主人公として。
結果的に取材となったその日の話をチームに持ち帰り、再度短いストーリー案の提出をまずチーム内ですることになりました。
チーム内で会議を重ね、たくさんの意見、ストーリーが提出されます。
ただ、なかなか結論が出ないことがひとつありました。
これはかなり大きな問題です。果たしてそれはどこまで許されるのか?
その判断に関してとても悩みました。
最終的にはSista-Kの気持ちを確かめるしかない。
そうして私は、またSista-Kの元へと足を運びました。
To be continued. 次回、いよいよ最終回です。
【その18を読み返す】
【最終回へ続く】←29日AM8:00にリリースです☆