「変化」の歳★
長崎市の風頭公園というところに坂本龍馬の銅像が立っています。
35年前、平成元年5月21日、小雨が降る中で除幕式が行われました。
これを建てたのは、市役所でもなければ、お金持ちの偉い人でもない、
平均年齢26歳の若者たちでした。
銅像製作を担当したのは故・山崎和國先生。
先生は、この銅像を作る時、いくつかの仕掛けをしていました。
その中である意味一番わかりやすい仕掛けは左足のつま先です。
この銅像の坂本龍馬は四角い台座から左足つま先だけはみ出しているんです。
普通に作るなら台座の内側に全てが収まるような作り方をするんだろうと思います。
しかし、この坂本龍馬は、左足つま先だけ台座からはみ出している。
突出しているともいえるかもしれない。
ただし、それは本当に目立たないし、言われなければ気づかないのかもしれない。
多分、ほとんどの人は言われて初めて気づくレベルの違い。
でも、それは確実に何かを意味している。
それは何なのか?
幕府や藩といった型に囚われず、日本や世界を意識して行動した
坂本龍馬という人間そのものを表している。
それが山崎和國先生の狙いでした。
私のイメージする坂本龍馬とこの長崎の山の上に立ち海を見遙かすこの銅像は見事に合致しています。
だから私は長崎を訪れると必ずこの像の前に立ちます。
ここで静かに銅像を向き合います。
今年の正月も私は語りかけました。
動くよ、龍馬さん。今年は動く。見ちょってや。またもんて来るき。
動きます。(秋日朗)