お盆と映画☆その4

心臓移植を待つ少女と出会った少年は彼女のために何ができるか思い悩んである行動を起こします。あなたならどうしますか?短編映画大きな木になりたい。8月24日(土)大阪市福島区野田にて上映会。
短編映画『大きな木になりたい』8月24日(土)大阪市福島区野田にて上映会開催。

 ホントにここまでお付き合いいただいてありがとうございました。今回はオリジナル作品のお話をして次回最終回としたいと思います。

 これまで現在の日本映画の問題点について展開してきました。製作委員会方式、シナリオの世界、オリジナルと原作モノ、、、要するに、色んなことが複合的に絡まっていて今の状況があるので、これ!っていうポイントはなかなか出て来ないんですよね。(^^;;

 実際、オリジナル・シナリオの日本映画は製作されています

 前述した映画脚本のコンクール【城戸賞】を受賞した作品や、それによって映画化されてそれなりの興行収益を上げた脚本家の作品は、比較的定期的に製作さえれています。代表格は先に例示した和田 竜氏の『のぼうの城』『村上海賊の娘』があるし、『超高速!参勤交代』土橋章宏氏もそう。同作で第37回城戸賞を審査員オール満点で受賞。その後も『サムライマラソン』『引っ越し大名!』と彼の小説を原作とした映画が製作されています。

 ただし、どちらも城戸賞を受賞後は、小説を出版し、それを原作とした原作モノとして製作される流れがあります。これはやはりスポンサーを得やすくする為に行われている通過儀礼的な流れなのだろうと思います。

心臓移植を待つ少女と出会った少年は彼女のために何ができるか思い悩んである行動を起こします。あなたならどうしますか?短編映画大きな木になりたい。8月24日(土)大阪市福島区野田にて上映会。
8月24日(土)『大きな木になりたい』野田上映会開催。

 他にも是枝裕和監督のように、今までの作品の海外評価が高く実績もあり監督名だけで期待値が高くて客が呼べるので企画自体が通りやすいという場合もあります。

 宮崎駿が復活!って聞いたら、そりゃ「とりあえず観に行くか」ってなりますもんね。

 メジャー映画というのは、要するに製作費が回収可能かどうかのそろばんを弾いて、そこ優先で製作していくのが基本ですので、オリジナルでも儲かるならば製作されますし、集客の見込みが立つから原作モノで手堅く製作する。最終的にはビジネスとして決定していくわけです。って当たり前だよね。それで飯食うんだから、回収できない作品は作りゃしませんよね。

 じゃあ、『カメ止め』は?

 これはもうあれですよ。プロモーションと企画構成の勝利ですよね。
 まず、当然シナリオと発想の面白さはあります。俳優養成のワークショップの中で製作されてますから役者さんは手弁当だし、その辺の製作費が安上がりになっているから安さばかりが目立っていますが、そりゃそこは安くなるわけです。そうして製作されている低予算作品は結構あります。
 では何が他と違ったのか?それは作品の構成と発想力。つまりシナリオの良さです。思い出してください。黒澤明の名言を。

良いシナリオからは良い作品も悪い作品も生まれるが、悪いシナリオからは悪い作品しか生まれない。

心臓移植を待つ少女と出会った少年は彼女のために何ができるか思い悩んである行動を起こします。あなたならどうしますか?短編映画大きな木になりたい。8月24日(土)大阪市福島区野田にて上映会。
8月24日(土)『大きな木になりたい』野田上映会開催!

 それとプロモーションの勝利だったと思われます。ツボを押さえたメディアへのアプローチや、それによって一般の観客への感想コメントの流れ。結果、ミニシアター数館から関東全域、大手シネコン、全国へと展開していく形になりました。もちろんこれには作品自体の面白さがあったからです。

 大手配給から始まっていないという意味では、アニメではありますが『この世界の片隅に。』があります。実写ではありませんし原作モノですが、こちらの場合は大手映画会社では企画が通らず、予算をクラウドファウンディングで集めるところからスタートしています。その為にパイロット版の製作をして拡散することで製作費を募りました。もちろん、こうの史代原作のコミックのファンが多数動いていることはあります。そこは正に原作モノの強みです。そうして作品製作の現状を公開したことで原作ファン以外からの作品への期待度と注目度も上がりました。そして東京テアトルが配給に名乗りを上げ、異例のロングランの後、大手シネコンでのロングラン上映と異例続きとなりました。ロングランは原作の力ももちろんありますが、映画自体の良質さがなければありえませんでした。作品力によってお金も集客も全てを引き寄せた最上の例だと思います。

 こうして見ると、大手の論理で製作されるメジャー作品に対して、ちゃんとエンターテインメントとして製作することで、結果的にメジャー級のヒットとなる作品も現実として存在するということがわかります。どちらが正しいという話ではありません。どちらも正しい。ただ、作り手が「この作品を作りたい!」と強く願うことで製作された作品が、その作品がちゃんとエンターテインメント作品であるならば、運だけではなく陽の目を見ることができる仕組みはあるべきだと思うわけです。それは観客として良質の作品を観たいと思う希望を叶えることだし、それこそがマーケットを刺激することになると私は考えます。
 もちろん、そんなつもりでないにしろ、資金さえあれば「これが観たいんだろ?」と言わんばかりに人気の原作と人気の監督、腕のある脚本家、大人気の俳優・タレントたちを布陣して大上段から振り下ろされる作品ばかりでは、確かに観たいんだけど、なんだかなぁ〜って、どこかにくすぶる何かが残るんですよね。いや、そりゃ満足なんですよ。迫力とかすごいんだし。わかりますかね?この感覚。

 さて、そろそろこの映画についての話題を閉めたいのですが、またしても長くなってしまったので、今回はここで終わらせていただいて、いよいよ次回、最終回とさせて頂きたいと思います。(誰か読んどるんかいな?(^^;;;)

【次回、お盆と映画☆その5最終回へと続く】

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